2021/05/14
先日、「酒のツマミになる話」というテレビ番組で、出演者の方が次のようにおっしゃっていました。
「なんで歯医者って一度に歯の治療を全部済ませてくれないんだろう?予約も1か月後とか言われるし、自分のスケジュールを歯医者に合わせないといけないのが困る」
きっと世の中の多くの方も「わかる!」と思われたのではないでしょうか。
今日は、歯周治療についてもう一回簡単にまとめてみたいと思います。
【歯周病の治療】
歯石の付き方や、歯周組織の炎症、骨の溶けている程度によって治療回数が異なります。保険診療における歯周治療は、まず歯周組織検査が必要です。歯茎の周りを細い先端の器具で触っていくアレです。あれは、歯茎と歯の間にある溝の深さを測ることで、歯茎に炎症が起きていないか、顎の骨が溶けていないかを判定する検査です。検査をしたら次に歯石取りです。検査に基づいて歯石や炎症を認めたからスケーリングと呼ばれる歯石取りが出来るんですね。以下に治療の流れを書いていきます。
- 歯周組織検査
- スケーリング(歯石取り)
- 歯周組織検査(2回目)・・・これで歯石を取った後の歯茎の炎症が治まったか、また深い位置(歯茎の中の方)に歯石がないかを確認します。程度の軽い方はこれで終了です。
- SRP(深い部分の歯石取り)
- 歯周組織検査(3回目)・・・これでポケットの深さが浅くなっていたり、炎症が治まっていれば終了になります。
- 歯周外科手術・・・骨が溶け、歯の根っこの周囲に炎症組織がある場合、①~⑤だけでは回復しないことがあります。その場合は歯茎を切って、中の炎症組織を取ってあげる必要があります。また、無くなってしまった骨組織を回復させるような術式もこの⑥に該当します。
- 歯周組織再評価
いかがでしたか?歯周病というのはそれほど厄介な病気なのです。日々の積み重なりが生んだ歯周病ですから、一度や二度の治療では治りません。また、定期的なメンテナンスが必要になるものです。家での自己メンテナンスでは取れないのが歯石ですから、特に何も感じなくても歯周病は進行していきます。時々歯医者さんへ行ってくださいね。