2021/05/15
先日、「酒のツマミになる話」というテレビ番組で、出演者の方が次のようにおっしゃっていました。
「なんで歯医者って一度に歯の治療を全部済ませてくれないんだろう?予約も1か月後とか言われるし、自分のスケジュールを歯医者に合わせないといけないのが困る」
きっと世の中の多くの方も「わかる!」と思われたのではないでしょうか。
今日は、被せ物を入れる流れについて簡単にまとめてみたいと思います。
【クラウンやブリッジの治療の流れ】
クラウンやブリッジが入るということは、虫歯や歯のない部分があるということになりますので、まず最初にレントゲンを撮って虫歯の部分を確認し削ります。その後に型取りをして、歯にピッタリのクラウン(被せ物)やブリッジを作るわけですが、ここからの作業は歯科技工士さんの担当になります。以下は金属のクラウンなどの作製の流れです。
- 型取り
- 採った型に石膏を流す
- 石膏模型に被せ物を作るための作業をする
歯の形にそっくりな被せ物を蝋(ワックス)で作っていきます。
- 金属を鋳込む
ワックスで作った被せ物を埋没材という石膏のようなものに沈め、窯の中に入れてワックスが溶けるのを待ってから、その空洞になった型へ溶かした金属を流し込みます。
- 研磨
金属が冷えて固まったら形を整え、磨いていきます。
- 完成
いかがですか?型取りをしたからといってすぐに完成しないことがお分かりいただけたかと思います。歯科医院に技工士さんが常駐しているかしていないかでも出来上がりにかかる日数は変わりますし、他の患者さんのクラウンやブリッジも同時進行で作っているためにどうしても時間がかかります。オーダーメイドと言えば、時間がかかるのも納得できると思います。
それでも早く治してほしいという場合は、口腔内スキャナーという機械を使って型取りの代わりにし、被せ物専用のブロックから削り出して作るCAD/CAMなどがあります。その日の朝に型取りをして、早いところでは夕方に出来上がるという歯科医院もあります。そういう歯科医院はホームページに書いてあったりしますので、チェックしてみてください。ただし自由診療になります。時間を取るか、費用を取るか、悩むところですね。