矯正治療と歯肉炎

矯正治療を始めたら、歯茎が腫れてきた・・・そんな方は結構いらっしゃると思います。特に、思春期のお子様に多いのではないでしょうか。

今日は、矯正治療と歯肉炎についてお話しします。

 

まず、歯肉炎について軽くおさらいします。歯肉炎とは歯茎に起こる炎症のことで、歯茎が腫れたり出血したりします。歯周ポケットと呼ばれている歯と歯茎の間の溝の深さは3mm以下で、歯を支える骨や、歯を取り巻く線維組織などの破壊はありません。

その歯肉炎ですが、原因はプラーク(歯垢)です。ハミガキをしていても磨き残しがある場合は歯肉炎になってしまいます。個人個人でなりやすさに差はありますが、プラークのあるなしが大きく影響します。

 

矯正治療を始めると、歯に装置を装着するために今までのハミガキでは磨き残しができやすくなります。装置を着けたその日にハミガキ指導はしますが、不慣れであったり、または面倒くさがってしっかり磨かないと歯肉炎を誘発します。歯肉炎を放置し続けると歯周炎に進行することもありますので、注意が必要です。また、歯肉炎による歯茎の腫れがひどい場合にはワイヤーが歯茎に食い込むことがあります。

 

磨き残しを減らすために、矯正治療中は普段使うハブラシ以外にも道具を使っていただきます。特に便利なのがタフトブラシと歯間ブラシです。子供の矯正治療で歯にブラケットという小さな矯正の器具を接着すると、そのブラケット周囲やワイヤーと歯の間に汚れが溜まりやすいですが、タフトブラシで優しく擦ると汚れが落ちますし、歯間ブラシをワイヤーと歯の間に入れることで磨き残しが減らせます。

 

矯正をしているから歯肉炎は仕方ないことだと思わずに、少しだけ時間と手間をかけて磨きましょう。もうすぐキレイな歯並びになれますよ!