歯周病で吸収した顎の骨は治せる?①

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 歯周病が進んでいくと、歯を支える顎の骨が吸収していきます。どんどん進行すると、歯の周囲の骨が無くなってしまい、歯がぐらつきます。そして最後には歯が抜けてしまいます。こうやって文章にするとあっけない感じがしますが、歯が抜けるに至るまでにはそれなりに時間がかかりますし、途中歯茎が腫れたり血が出たりします。

歯周病で吸収してしまった顎の骨は、回復するのでしょうか?

 

結論だけを先に言うと、自然に回復することはほぼありません。歯周病菌と呼ばれる細菌が炎症を起こし、その結果、顎の骨を溶かしていくため、歯周病菌を減らす必要があります。減らし方としては、まずはご本人の日頃のハミガキです。どんなに歯科医院で徹底的にキレイに磨いても、それは通院頻度で言えば1カ月のうちのたった1度くらいですよね。毎日の汚れは毎日のハミガキでしか取れません。

日頃のハミガキが上手になるのと同時に、次はプロフェッショナルのケアが必要です。歯の周りにある歯石を除去することで、歯周病菌の住処を減らします。この頃には、最初に比べて歯茎からでる血や膿が減っていることでしょう。腫れも大分治まっていると思います。

直接取り切れる歯石が無くなっても、歯茎の奥深くに潜んでいる歯石があります。これが見えないところで悪さをして骨を溶かしていきます。この場合は部分麻酔をしてから歯茎を少しめくって、歯茎の中の歯石をしっかり除去していきます。ここまでしないと病原菌が取り除けないため、進行が止まらないことがあります。

 

進行が止まっても、顎の骨は簡単に回復しないため、治癒に時間がかかります。しかし、最近では再生医療と言って顎の骨が回復するような薬剤があるのです。

 

次回は、歯周病の治療に重要な役割を示すリグロスについてお話しします。