2021/07/16
矯正治療を希望されたときに、妊娠中だった場合。矯正治療は出来るのでしょうか?
結論から言えば、矯正治療は可能です。しかし、妊娠中に矯正治療をスタートする場合は注意が必要です。例えば、分析・診断のためのレントゲン撮影。また、歯を抜く必要がある症例です。
矯正治療をする前に、患者さんの現状を把握し、治療計画を立案するためにも診断が必要なのですが、そのためにはセファログラムと呼ばれる横顔のレントゲン写真を撮影します。また、全体的な歯の状態をみるためにもパノラマエックス線写真と言われる歯のレントゲンも必要になってきます。レントゲン撮影による放射線被ばくが心配な場合は、出産を終えてからの方が良いでしょう。胎児への影響はありませんが、それでも気になる方はいらっしゃることと思います。
歯を抜く必要がある症例の場合ですと、歯を抜くという母体への負担がありますし、抜いた後の抗菌剤や鎮痛剤の服用があります。また、歯を抜いた後で予後が悪いと更に薬を服用する可能性があります。安定期であってもできるだけ避けた方が良いでしょう。
逆に、治療中に妊娠した場合は特に問題ありません。ただ、つわりが酷い場合ですとハミガキしていても気持ちが悪くて上手に磨けないということがあります。その場合、歯肉炎や虫歯になりやすいので注意が必要です。そして必要な場合のみですがレントゲンを撮影することがあります。
おなかに鉛のエプロンをすれば胎児に影響はないとされてますが、妊婦さんのお気持ちとか、大事を取るという意味でレントゲン撮影を見送ることもあります。
麻酔やお薬を飲むことについても安定期なら大丈夫ですが、心配な方も多いかと思いますので、まずはご相談ください。