酸蝕症①

 昨年末のブログで少し触れましたが、歯が酸によって溶けてしまう病気を「酸蝕症(さんしょくしょう)」と呼びます。前回の記事では、どんな食べ物や飲み物が歯を溶かすかについてお話ししましたね。

 

特に昨年と今年は新型コロナウイルスのせいであまり出かけられず、家にいる時間が長くなるとついつい間食をしたり、飲み物を飲んだりしてしまうと思います。人によっては炭酸飲料や栄養ドリンク、お酢などの健康ドリンクを飲むこともあるでしょう。

 

 酸蝕症は、虫歯菌が作る酸で歯が溶ける「う蝕」とは違い、体の外から入ってくるものと体の内側から入ってくるものがあります。食べ物や飲み物は、この体の外から入ってくる外因性因子のひとつですね。

 

歯は酸によって溶けてしまいます。酸性とは、pHの値が7より小さいものを指します。数値が小さいほど酸性が強くなります。ちなみにコーラはpH2と、胃液に近い強酸性を示します。このような酸性の強いものを普段からダラダラと飲んでいると歯が溶けてしまい、しみるようになったり、虫歯になりやすくなったりします。歯が薄くなるためにかけやすくなりますし、あまりにも歯が溶けすぎると歯の神経にも炎症が起こります。見た目にも擦り減ったように映り、キレイではありません。

 

 酸蝕症になってしまうと、治療は白い詰め物くらいしか出来ず、酸蝕症の度合いによってはそれもあまりうまくいかないことがあります。酸蝕症はなによりも予防が大切なので、酸性の飲食物をよく口にする人は頻度を下げましょう。