昔の虫歯治療

 母校である日本歯科大学には「医の博物館」がありまして、入場料は無料という驚きの施設なのですが、これがなかなか面白い!江戸時代の木でできた入れ歯や、もっと昔の医療の道具、医学書などが展示されています。

 

その昔、歯の治療は理容師がしていたという話を聞きました。12世紀ごろのヨーロッパでは、床屋さんが外科処置をしていたそうです。血管の静脈と動脈と包帯の色からあの有名なクルクル回る看板(サインポール)が出来たんだとか。今では歯科は専門職になっていますが、かつては外科の一部だったんですね。

 

 現代とは違って、昔の虫歯治療はなかなかにハードだったようです。歯を抜くにも麻酔がまだ出来ていないときなどは、それはもう想像するに恐ろしいことですよね。4000年も昔の古代エジプトでは、すでに歯科専門の医師がおり、抜歯だけではなく膿をだすような処置もしていたとの記録があります。ただ、今のようなお薬や対処法が無かったため、基本的には歯が痛ければ抜くのが当時の治療法でした。

 

 今は殆どの人が歯の大事さを分かり、定期的に歯科医院へ行くことで健康な歯を保てたり、多くの治療法が生まれたことにより歯の寿命を延ばせるようになりました。また、歯を失っても入れ歯やインプラントで対応できるようになりました。これからは再生医療などがさらに進んでいくことでしょう。虫歯ゼロの未来がはやく来ると良いですよね。