2020/11/17
今日は、上の歯や顎が前に出ている症例である上顎前突（じょうがくぜんとつ）についてお話しします。
ちょっと前までは「出っ歯」と言われていましたが、現在では差別用語に当たるため「くちごぼ」など新しい呼び方が出てきています。どんな状態かというと、上の前歯が前方に大きく傾いていたり、上あご自体が全体から見て前方に位置していることを指します。特徴としては唇を閉じづらく、口元がとがっているように見えます。程度にもよりますが、あまりに上あごが前方に位置する場合には手術が必要なケースもあります。
治療方法は、
1 成長が期待できる年齢や時期であれば上あごの成長を抑え、下あごの成長を促す
2 歯を抜いて前歯を後ろに下げるスペースを確保する
3 奥歯を後ろに移動させることでスペースを確保する（歯は抜きません）
などが挙げられます。人によって状態が違うため、治療方法も異なってきます。まずは専門家に診断を受けることが大切です。
上顎前突だと何がどんな害があるのでしょうか？
a. 見た目の問題
b. 噛み合わせの問題
c. 発音
d. 転んだ時に前歯をぶつける確率が高くなる
e. 唇が閉じないため口の中が乾燥し風邪をひきやすくなる
f. 歯肉炎・歯周炎になりやすくなる
前歯の傾きや噛み合わせの程度にもよりますが、上記のような困ったことが起こります。 特に、学校検診で「噛み合わせの問題あり」と指摘を受けた場合はその傾向が顕著ですので早めに相談に行きましょう。