2024/10/26
過去に観たテレビ番組で、歯の治療が一度で終わらないことについて盛り上がっていました。きっと世の中の多くの方も「わかる!」と思われたのではないでしょうか。
今日は、歯周治療についてもう一回簡単にまとめてみたいと思います。
【歯周病の治療】
歯石の付き方や、歯周組織の炎症、骨の溶けている程度によって治療回数が異なります。保険診療における歯周治療は、まず歯周組織検査が必要です。歯茎の周りを細い先端の器具で触っていくアレです。あれは、歯茎と歯の間にある溝の深さを測ることで、歯茎に炎症が起きていないか、顎の骨が溶けていないかを判定する検査です。検査をしたら次に歯石取りです。検査に基づいて歯石や炎症を認めたからスケーリングと呼ばれる歯石取りが出来るんですね。以下に治療の流れを書いていきます。
- 歯周組織検査
- スケーリング(歯石取り)
- 歯周組織検査(2回目)・・・これで歯石を取った後の歯茎の炎症が治まったか、また深い位置(歯茎の中の方)に歯石がないかを確認します。程度の軽い方はこれで終了です。
- SRP(深い部分の歯石取り)
- 歯周組織検査(3回目)・・・これでポケットの深さが浅くなっていたり、炎症が治まっていれば終了になります。
- 歯周外科手術・・・骨が溶け、歯の根っこの周囲に炎症組織がある場合、①~⑤だけでは回復しないことがあります。その場合は歯茎を切って、中の炎症組織を取ってあげる必要があります。また、無くなってしまった骨組織を回復させるような術式もこの⑥に該当します。
- 歯周組織再評価
いかがでしたか?歯周病というのはそれほど厄介な病気なのです。日々の積み重なりが生んだ歯周病ですから、一度や二度の治療では治りません。また、定期的なメンテナンスが必要になるものです。家での自己メンテナンスでは取れないのが歯石ですから、特に何も感じなくても歯周病は進行していきます。時々歯医者さんへ行ってくださいね。
佐野歯科・矯正歯科医院
副院長 関川 奈都貴
~プロフィール~
2005年 日本歯科大学 新潟歯学部卒業
2005年4月~2015年3月 日本歯科大学新潟生命歯学部歯科矯正学講座 勤務
2015年4月 佐野歯科医院 勤務