2021/01/27
小さいお子さんのいる親御さんから、「子供が受け口だけど、どうしたら良いですか?」とご相談いただきました。今日は子供の受け口についてお話しします。
受け口(反対咬合)は、歯が3本以上逆の咬み合わせになっている状態を指します。また、歯だけが原因の場合と顎の骨が原因の場合があります。乳歯の時期の受け口は、大人の歯に生え変わるときに自然に治るケースが10~30%と言われています。厳しい言い方をすると約70%が受け口のまま成長していくということです。ですから、結論を言えば、早いうちに治した方が良い結果を得やすいことになります。
どうして早く治した方が良いか、詳しくお話しします。受け口を放置すると、下顎がズレたまま成長していきます。骨の形や顔の筋肉も、そのズレに合わせて成長していきます。下顎が前方にズレている期間が長ければ長いほど、機能と形態がそれに伴って成長します。年齢が高くなればその分発育も進むため、治療の難易度が上がるのです。
早期の治療として挙げられるのが、取り外し式の装置です。大きなマウスピース状の装置を寝ている間に装着することで、顎と歯の位置関係を良い方向へ誘導します。装置の使用開始時期は個人差がありますが、早いと3歳頃から使えます。他には帽子タイプの装置もあります。こちらも家にいる間だけ使う装置です。一日8~10時間ほど装着することで、半年から1年ほどで受け口の治療が完了します。
ただし、矯正装置は万能ではありません。中には遺伝や骨の成長の勢いが強すぎて、このような矯正装置の適応外となる方もいらっしゃいます。また、装着時間が短いと、まったく効果が得られないので、お子さんの性格によって向き不向きがあります。ですので、受け口に気づいたらすぐ矯正歯科を受診して、どんな治療があるか、いつから始められるかの相談をしてください。