2021/03/18
以前、楽器の演奏によって歯並びが変わる可能性についてお話ししましたが、今日はバイオリンと顎の変形・顎関節症についてです。
バイオリンは、顎に荷重を加えて使用するため,顎変形や顎関節症状との関連性が指摘されています。過去に論文で発表もされていますが、バイオリンやビオラなどは顎に挟む形で楽器を構えるので、どうしても顎の片方に力がかかります。片側だけに力がかかり続けると、筋肉も片側だけ発達し、顎の変形が起こりやすくなります。またバイオリンを弾いていると、顎関節症も割と起こりやすい病気の一つです。
顎関節とは、下顎の骨のうち、頭蓋骨に接している部分の関節をさします。外側から見て、耳の穴のすぐ手前に顎関節があります。顎関節がおかしくなると、口が開きづらくなったり痛みが出たりします。
この場合の顎関節症の原因は、バイオリンを片側の顎で挟むことです。片側の顎にだけ過度なストレスを与えることで顎関節症を引き起こします。では、どうしたら良いでしょう?
バイオリンなどによる顎関節症を防ぐには、左手でもバイオリンを支えることと、歯を噛みしめないことが重要です。楽器自体の重さが顎への負担でもあるため、それを手でも支えることで負担軽減を図ります。また、歯を噛みしめると筋肉の過緊張が起こるために顎関節症を発症しやすくなります。あとは、肩当を使うという選択肢もあります。楽器を演奏していて首や顎関節の痛みを感じたら、早めに専門医に相談しましょう。
楽器は小さい頃から始める方もいらっしゃると思います。小さい頃は成長があるために、より一層顎の変形につながりやすいので、正しいフォームで演奏することも大事です。