2021/04/11
矯正治療にも難易度が存在します。ケースによって治療に必要な装置や期間が変わってきます。今日は矯正治療の難易度について書いていきます。
1 骨格的に異常がある場合
a. 上顎、下顎の前後的な位置や大きさの異常
b. 上顎、下顎の垂直的な位置や大きさの異常
c. 上顎、下顎の水平的な位置や大きさの異常
d. 上顎、下顎それぞれの左右の形の異常
多くの人は大なり小なり異常があるのですが、これらの異常が大きくなればなるほど
治療が難しくなります。その場合は外科的矯正治療も選択肢に入ります。
2 顎の大きさと歯の大きさのバランスの異常がある場合
歯が並ぶ隙間が足りない場合、歯並びにはデコボコや突出が起きます。逆に、顎の大き
さに対して歯が小さい場合は隙っ歯になります。これらも程度が小さければ対応が難
しくないのですが、程度が大きいと対応に苦慮します。また、抜歯が必要と思われるケ
ースで抜歯を選択されない場合は口元が出たり、後戻りしやすいので注意が必要です。
3 歯並びに影響を与える癖
舌で歯を押す、飲み込む際に舌が飛び出る、爪や指を噛む、唇を噛む・・・歯並びに影響を与える癖のあるケースは、治療自体も時間がかかりやすく、癖が解消しないと治療後の安定が難しくなります。
4 歯の欠損がある場合
歯が足りなかったり(永久歯の先天欠如)、虫歯や歯周病などで歯を失った場合、治療
が難しくなることがあります。本数が多くなればなるほど難易度があがり、特に奥歯が
ほとんど無いようなケースでは対応に苦慮します。
5 治療期間に制約がある場合
修学旅行があるから、卒業式があるから、受験があるから、結婚式があるから・・・な
どの理由から、短期間での治療を希望される場合、通常の治療方法では対応できないこ
とがあります。
このように様々な要因が組み合わさって治療の難易度が変わってきます。小さなものでも多く組み合わされると難易度が格段に上がるものも珍しくありません。