2021/05/19
先日、同級生がたまたま歯の治療に来院しました。歯の痛みで他院にかかったが、説明がなくて不安だから見て欲しいということでした。私と院長は、何が気になるのか、いつからその症状が出たのかなどの聞き取りをおこない、レントゲンを撮りました。そして歯の痛みの原因が分かったため説明をし、別日に治療をすることになり、その日は終了となりました。同級生は、お会計の時にこう言ったのです。
「いやぁ、来てよかったよ~、都会と違って料金が良心的だね」
いえ!そんなはずはありません!!
何故なら保険診療だからです。
あまりご存じない方もいらっしゃいますが、保険診療は保険点数が決まっていることから、どこで治療を受けても内容が同じ場合はそこまで大きな点数の乖離はありません。違いが生まれるとすれば、歯科医院が施設基準を持っているかどうかによってです。
例えば、初診で歯の痛みを訴えて受診し、レントゲンを一枚撮ったとします。すると
初診料*+外来環*+画像診断
これらの点数が算定されます。*印のついている初診料と外来環は届け出をおこなっているかどうかで点数に少し違いが出ます。それでもそれぞれ21点と23点。また、レントゲンはデジタルかどうかで10点の差がでます。ですから、合計して54点の開きが出る可能性があります。保険点数の1点は10円と換算しますので、540円の開きが出ますが、それのうちの自己負担が1~3割になりますので、明確に金額の差を感じるほどかというと、「良心的」というほどの違いは出ません。おそらく、検査の内容などが異なっているために当院でのお支払いが以前行かれていた歯科医院に比べて安いと思われたのでしょう。
ただし、中にはやっていない処置をやったことにして算定するという不正請求をおこなっているケースもあります。もしおかしいなと思ったら、明細書を確認しましょう。