歯槽膿漏(しそうのうろう)と歯周炎と歯肉炎の違い

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先日、歯茎が腫れて膿が出ている患者さんが来院されました。

「〇〇さん、これは歯周炎です。

とお伝えしたところ、

「あぁ、歯肉炎なんですね。」

とその方はおっしゃいました。そこで私は患者さんが歯肉炎・歯周の違いが分かっていないことを知り、

「いいえ、歯槽膿漏です。」

と言い直したことにより上手く伝わったのです。皆さんは違いが分かりますか?

 

歯周病というくくりの中に歯肉炎と歯周炎があるのですが、歯周炎=歯槽膿漏のことです。特に40歳以上の方は歯槽膿漏という言葉になじみがあるかと思います。私が子供の頃は“リンゴを丸かじりして歯茎から血が出たら歯槽のうろう“というようなTVCMが流れていました。

歯肉炎は歯茎の炎症のことですが、歯周炎(歯槽膿漏)は歯を支える骨(歯槽骨)をも溶かしてしまい、進行すると歯が抜け落ちてしまう恐ろしい歯周病です。

 

この他にも、ご高齢の方だと「プラーク(歯垢)」と言われてもいまいちピンと来ていないようですが、言い換えると「歯クソ」です。インパクトが強すぎるのであまり言いたくはないのですが・・・しかしこの強いワードで伝えると口の中がとても汚れているということを分かっていただきやすいです。

 

プラークは海外から入ってきた言葉ですし、歯槽膿漏という言葉が歯周炎に変わってきたのはここ20~30年のことと思います。時代とともに言葉が変わるのは仕方のないことですが、認識に差が出てくるのは良くないですね。ここは我々歯科医師・歯科衛生士の課題だと思いました。