歯周病の治療に何回も通うのはなぜ?①

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 歯医者に歯石取りに通うと何回もかかるし次回の診療に日にちを置くのが嫌だ、という声を聞くことがあります。人によっては、「何回も通わせることで儲けようとしているのでは?」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、いえいえ!これにはきちんとした理由があるのです。

 

歯周病を治療しようとすると、まず現状の把握が必要になってきます。歯茎に炎症があるのかを歯周組織検査という検査で調べていきます。歯茎を専用の器具で触る検査です。あれは歯と歯茎の間にある溝(ポケット)の深さを測ったり、その際に出血がないか確認したりしています。その他にはプラーク(歯垢)が残っていないか、膿が出ていないか、歯の揺れがあるかどうかをチェックしています。

 

ここでポケットの深さが3mm以内で歯茎の出血もない方は健康な歯茎の持ち主です。歯石がある場合は歯石を取り除いて、さらに健康増進をはかります。このようなケースの歯石は歯の表面で見えやすい場所についているため、除去するのもそこまで難しくありません。しかし、人によってぶ厚かったり硬かったりと差があるため、一日で歯石をすべて取り切れる方もいれば、非常に取りづらかったり多量にあるせいで一日では終わらない方もいます。定期的に通ってくださる患者さんですと、歯石の付きやすさもわかってくるためガチガチにならないうちに来院していただくことでメンテナンスが簡単なもので済みます。

 

 ポケットの深さが4mmを超えてくると歯周炎といって歯を支える骨が破壊されている状態です。この中でも10mmを超えるポケットがあったり、歯のぐらつきが大きいと重度の歯周病ですので治療に回数がかかります。考えてもみてください、軽い怪我と骨折などの大きな怪我であれば病院に通う回数もおのずと変わってきますよね。歯科も同じことなんです。軽症であれば治療も簡単で小数回の通院で済みます。重症であればいろいろな治療が必要になってきますし、通院回数も多くなっていきます。

 

 次回は歯石を取ったその後の検査や、更なる治療についてお話しします。