2021/06/12
歯医者に歯石取りに通うと何回もかかる理由についてお話ししています。今日は、歯石を取ったあとの検査や、更なる治療についてお話しします。
一度歯石を取ってから、1か月後くらいにもう一度歯周組織検査をします。なぜすぐに検査しないのかというと、しばらく時間をおかないと治療の効果が分からないからです。歯石を除去した直後の歯茎は、健康な状態には戻っていません。例えば、転んでひざをすりむいたら、そこを洗ってキレイにしてから傷が治るのに数日かかりますよね?口の中も同じですから、汚れ=歯石を取ってキレイにしてから組織が回復するまでに時間を置くのです。
歯石を取ったことにより、歯茎が引き締まり状態が良くなればそこで治療は終わります。逆に、歯茎が引き締まったことにより、今まで見えなかった歯茎の中にまで歯石があることが分かるケースもあります。そういった場合は「スケーリング・ルートプレーニング」といって歯茎の深い部分まで専用のスケーラーという器具で歯石を取ってあげます。放っておくと歯周病菌の活動の場になりますから、丁寧に取り払う必要があります。
歯周ポケット内の歯石は「縁下歯石(えんかしせき)」と呼ばれ、普通の歯石と違って取りにくいうえに、柔らかな歯茎の下の部分に及ぶため、熟練の技が必要になってきます。歯科衛生士さんたちの腕の見せ所ですね!痛みを伴うこともあるため、歯科医師による麻酔も行われたりします。全て取り終わったら再度歯周組織検査をします。
この後にも、直りの悪い場合やもっとずっと深い場所に縁下歯石があるケースでは、部分的な外科処置をして治療することもあります。ですから、歯周病の治療は何回も通う必要があるものだということ、そして治療は案外大変なものだということを知っていただけると嬉しいです。