2021/07/13
歯周病って何が悪いの?歯茎から血が出るだけ??いいえ、歯周病は大変恐ろしい病気です。悪の権化と言っても過言ではありません。
今日は、歯周病と糖尿病に関するお話をしましょう。
歯周病と糖尿病は、タチの悪い仲間のようです。どちらが先でもお互いをさらに悪い状況へと導きやすいのです。糖尿病をおもちの方では歯周病が悪化しやすく、歯周病があると血糖コントロールが難しくなることがわかっています。そして、最近の研究では、歯周病の治療をしっかりと行うことで血糖値が改善することが分かっています。
歯周病とは、お口の中の汚れが原因で始まることが殆どです。歯周病の原因は歯の表面についているプラーク、つまり歯垢です。これら歯垢は歯の表面に細菌がくっつくことで、薬物が効果をあらわすのを邪魔するようなバリアーを形成します。取り除くためには、ハブラシによるブラッシングと、歯医者さんで受ける専門的なクリーニングが必要です。
さて、歯周病の何が糖尿病を悪化させるかなのですが、歯周病菌が出す毒素が深く関わってきます。この毒素が血流にのって全身をめぐるのですが、膿や毒素に対する炎症性サイトカインといった炎症性物質が、体の中で血糖値を下げるインスリンの邪魔をします。そのために糖尿病が悪化したり、まだ糖尿病でない人でも発症しやすくなります。
逆に、糖尿病の人の歯周病が悪化しやすい原因は、糖尿病にかかると体の抵抗が落ちるため、ちょっとの炎症も大きく反映されやすくなるからです。
ここまで効くと、歯周病はとんでもない悪者ですね!!糖尿病とタッグを組ませてはいけないことがよくわかるかと思います。しかし、良い知らせもあります。最近の研究では歯周病の治療をすると血糖コントロールが改善する傾向にあることが分かってきました。もちろん、日頃の食事や運動も大切ですが、お口のケアもそこにプラスしていきましょう。