酸蝕症③

 昨年末のブログで少し触れましたが、歯が酸によって溶けてしまう病気を「酸蝕症(さんしょくしょう)」と呼びます。前回のまでの記事では外因性因子による酸蝕症に関してお話ししました。

 

 今日は、内因性因子により起こる酸蝕症についてお話しします。

 

内因性の大きな原因は、塩酸からなる胃液です。胃液のpH値は1.02.0と強酸のため、これが口の中に流れ込むことによって酸蝕症を引き起こしてしまうことがあります。逆流性食道炎、拒食症、アルコール中毒、摂食障害などで嘔吐などを引き起こすと、胃液が歯に悪影響を与えかねません。酸蝕歯にならないためには、これらの疾患を元から治療することが必要です。

 

また、つわりも胃液が口の中に流れ込むため、酸蝕症を起こすことがあります。ハミガキをしようとしても気持ち悪くなってしまうような方だと、なかなか辛いことと思います。つわりなどの場合や胃酸の逆流した場合は、重曹を水で溶かした液で良くブクブク、ガラガラとうがいをして、胃酸を中和します。その後で普通の水でもう一度うがいをしてください。これだけでも酸蝕症の進行を防ぎます。

 

酸蝕症の予防には、適切なブラッシングを心がけることが大切だとされています。ブラッシングの歯磨き圧は、毛先を歯面に当てた時、毛先が軽くたわむ程度(150200g)がいいとされており、歯磨き圧が強すぎたり、乱暴であれば、エナメル質は摩耗します。分かりにくいという方や自信のない方は、歯科医院でハミガキ指導を受けると良いですよ。