2021/08/16
「矯正治療は費用がかかるから、自分で歯並びを治したい」
インターネット上で時々見るこのような相談ですが、歯並びを自分で治すことができるのでしょうか?前回に引き続き見ていきましょう。
悪い歯並びには理由があります。例えば、顎の成長方向による不正咬合には以下のものがあります。
1 咬み合わせが深い(過蓋咬合)
2 歯を咬み合わせても開いている(開咬)
3 咬み合わせがずれている(交叉咬合)
顎の形による不正咬合の場合、成長が終わっていれば矯正治療であっても外科手術を併用しない以上は顎の形は変えられませんし、歯並びや噛み合わせを良くするにも矯正装置なしには治療できません。それを自力で治すというのは不可能です。
例えば成長が残っているような状態で、かつ、悪い癖があることが分かっており(例えば指しゃぶりなど)、歯並びが悪い部分もほんの少しだった場合だと、その悪い癖をなくすと自然と治ることがあります。しかし、これはかなり限局された症例です。本人や親御さんが気にするレベルの歯並びの悪さは、自分で治せるものではありません。まだ小さいうちに歯並びの悪化に気づいたら、悪い習癖が無いか確認するためにも歯科医院を受診した方が良いでしょう。また、無理に自分で治そうとして指で歯を押したり、割り箸を噛んだりしていると、予期せぬ方向に歯が動いたり、歯が痛くなったりしますので、独力でやろうとしないでくださいね。