舌がん?それとも・・・

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 口腔がんの話を続けていますが、タイムリーなことに舌がんを疑って急患が来院されました。普段からかなりの量を飲酒され、平日でも朝から飲むような方です。

 

お話を聞いてみますと、朝、ふと口の中を見たら舌が一部真っ白になっていたというのです。それまではまったく気づかなかったし、痛みも何もないのですが、お子さんが心配して歯医者に行くようにと勧めてくれたのだそうです。

 

お口の中の状態は・・・あまりキレイではありませんが、ある程度の汚れはハミガキで取れています。歯と歯の境目・歯と歯茎の境目に汚れが残っています。歯茎は歯周炎で少し腫れていますが、軽度です。そして、異常を訴えている舌ですが、それはそれは立派な舌苔が生えていました。

 

患者さんに確認していただくと、その舌苔を舌がんだと心配していたようでした。普段から舌を磨く習慣がなかったために舌苔がここまで育ったのを気づかなかったのでしょう。舌磨きの方法をお伝えし、がんではないということを説明すると、患者さんは安心のあまり泣き出してしまいました。

 

 普段から口の中をよく見ていれば、変化にも気づきやすいのですが、ある日久しぶりに舌を見たから舌苔に驚いてしまったというケースです。常日頃、自分の身体をチェックすることが大切ですね。今回はおうちの方がお勧めしてくださったので良かったですが、おひとりでお住いの方や、ご家族がご高齢または大変幼い場合は指摘してくれる人が居ません。ハミガキや舌磨きは、是非鏡をご覧になってください。磨き残しも見つけやすいですよ!