2021/10/03
矯正治療を受けてキレイな歯並びになったのに、数年後(もしくは数十年後)、歯並びが悪くなってきた気がする・・・。そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。今日は、長い時間が経った後の後戻りもしくは歯並びの悪化についてです。
歴代の矯正歯科医は、後戻りについて様々な研究をしてきました。しかし、矯正治療が確立されてから150年経ってもなお後戻りを完全になくす方法は見つかっていません。そもそも、「後戻り」というのも正しい表現ではないのかもしれませんが。
ヒトの歯は、年齢を重ねていくと使われて擦り減っていきます。また、顎の骨や顔周りの筋肉も加齢とともに変化してきます。均衡が取れている場合は歯並びに悪影響はありませんが、内と外、つまり頬や唇の筋肉と舌の力関係が釣り合わなくなれば歯並びが崩れます。親知らずが生えようとすることで前歯にしわ寄せが行き、デコボコが現れることもあります。それを「後戻り」と呼ぶのは、言葉通りの意味とは違ってきます。
さて、治療後ずいぶん経ってから歯並びが悪くなってしまった場合ですが、まずは治療を受けた歯科医院に相談してみましょう。かつて担当医であったならば、どのように治療すれば良いかが比較的わかりやすいかも知れません。また、費用面でも、昔通っていた方の再治療ということを鑑みてくれる場合があります。医院によっては再治療の費用をどうするか決めていらっしゃるところもありますので、お問い合わせしてみましょう。
過去にかかった歯科医院へ行けない場合。この場合は新たな歯科医院を探す必要が出てきます。もし新しい歯科医院へ行かれたら、問診の時に過去に治療を受けたことをお伝えください。また、その時にどんな治療を受けられたか、もともとの歯並びはどんなだったのかをお伝えいただくと診断に役立つ情報になります。
以前に通われていた歯科医院から遠く離れて物理的に通えない場合は、その歯科医院へ連絡をして、別の医院を紹介してもらうのも一つです。その場合は、患者さんの過去の資料を新しい医院へ送ってくれることもありますよ。