歯の移植について④

 

 今日は、移植のメリット・デメリットについてお話ししていきます。

 

 【移植のメリット】

・自分の歯で噛める

・歯根膜があるため、自分の歯で噛んだ感覚がある

・噛む力がコントロールされるため、対合歯(噛みあう歯)を傷つけない

・保険が効く症例もある

・ブリッジと異なり、周囲の歯を削らないで済む

・入れ歯とは異なり、取り外すことが無いため通常のハミガキで良い

・移植後に矯正治療で動かすことも可能

 

 【移植のデメリット】

・咬合に参加していない親知らずなどの歯が必要

・移植歯牙の状態により移植できないこともある

・外科手術が必要

・移植先の骨の状態により移植できない、もしくは更なる外科処置の必要がある

・喫煙や歯周病は成功率を著しく下げるため、症例を選ぶ

・予後の安定性が人により異なる

 

 歯の移植が成功するか否かは、移植歯牙の歯根膜の状態が良いか、植え替える先の顎の骨が十分にあるか、移植を受ける際の患者さんの年齢はどうか、糖尿病などの歯周病を増悪させる因子がないか、プラークコントロール(お口の清掃状態)が良いかどうか、移植後の歯の神経治療が上手くいくかどうか・・・などの様々な要素に影響を受けます。移植が必要にならなければ一番良いでしょうが、思わぬことから歯を失う場合もあるでしょう。その時に選択肢として選べるように、日々のメンテナンスを大切にしましょうね。