外科的矯正治療の手術の種類③

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今日も外科的矯正治療の手術の種類について、上顎骨・下顎骨といった骨全体を手術で前後・上下・左右に動かす手術についてお話しします。

今回は上顎です。

 

【上顎骨形成術】

                            Le FortⅠ型骨切り術

 上顎骨を歯の根っこより上の部分で、水平方向に切り、歯の生えている部分の骨を分離して移動させた後に固定する方法です。

この方法は上顎単体でおこなうこともありますが、例えば重度の反対咬合(受け口)の場合で下顎のみの骨切り術では改善が難しい症例や、

顔面非対称症例において、しばしば下顎の手術と上顎骨切りを併用します。

 

いかがでしたか?骨切り術には他にもオトガイ部形成術というものもあります。

あちこち骨を動かしたり削ったりと、まるで組み立てのようですが、実はそれほど単純ではありません。

顔にはいろんな感覚器官が集中していて血液の流れが豊富です。骨の中にも太い血管や神経が通っているため、切る位置や方向、量には様々な制約や限界があります。

従って、誰もが望みどおりに顎の形を自由に変えられるというわけではありません。

顎矯正手術の計画にあたって一番大切なのは、患者さんにあった適切な方法(矯正治療と手術との組み合わせなど)を探すことです。

決して見かけだけの改善に終わることなく、顎顔面の持つ重要な機能の調和を目指して、患者さんとともに治療法を模索し、最良の結果が得られるよう努力しています。