2020/12/04
学校でも保育園でも、フッ化物洗口というのをしたことがある人は多いと思います。地域保健福祉センターでのフッ化物塗布も実施しています。
フッ素には、歯の成分であるカルシウムが溶けだすことをおさえ、カルシウムを再度歯に取り込む再石灰化を促す働きがあります。前に虫歯のなりたちについて少し話しましたが、菌の出す酸によって歯が溶けることを脱灰といいます。それをフッ素が抑えてくれるのです。フッ素が歯と反応を起こしてフルオロアパタイトという安定した結晶構造を作ります。それによって歯が物理的にも強くなり、虫歯になりにくい歯になります。また、抗菌作用があるので虫歯菌の働きを抑えます。
フッ素を塗る時期ですが、歯を強くするという観点から乳歯や生えかけの歯、生えたばかりの永久歯はまだ弱くて虫歯になりやすいので、この時期にフッ素を塗ると効果を得やすいです。しかし、フッ素の毒性について心配される人もいるのではないでしょうか？虫歯予防のフッ素は誤って飲んでしまっても問題のない量ですので、心配いりません。しばらくすると体外へ排出されます。
フッ素の上手な応用法は
① フッ素塗布
② フッ素洗口
③ フッ素入り歯磨き粉を使う
この３つになります。特に③は薬局でもすぐ買えますし、フッ素が入っていない歯磨き粉はあまり売っていません。積極的にフッ素を歯に使いたいのであれば、歯科医院専売のフッ素濃度が高い歯磨き粉もありますよ。