花粉症と歯科③

花粉症は目・鼻に痒みをはじめとした色んな症状をもたらしますが、今日は歯にも症状があらわれることについてお話しします。

【歯茎が痒い】

 昨日お話ししました口呼吸を続けると、口の中が乾きます。すると自浄作用が低下し、歯周病菌が増えてしまうので、歯茎にも炎症が起こりやすくなります。歯茎は炎症を起こすとムズムズすることがあります。これを痒さと感じてしまうのです。こういった症状を予防するために、こまめに水分を補給したり、うがいをしたり、十分なハミガキをするようにしてください。たとえ口の中が乾いてしまっても、汚れが少なければ炎症も起きにくくなります。

【歯が痛い】

 花粉症で鼻の症状が起こると、頬骨に近い歯のあたりが痛く感じたり、目や頭が重く感じることがあります。その理由として、上の奥歯の根の先に位置する「上顎洞(じょうがくどう)」という骨の中にある空間が、花粉症による鼻の炎症によりその部分まで炎症を起こしてしまうことがあるからです。上顎洞炎と呼ばれますが、症状は抗生剤を飲むことで良くなります。もしも花粉症の時期に上の奥歯のあたりや頬骨ちかくが痛かったり、目や頭の重さを感じ、なかなか治らない場合は、歯科医院で一度みてもらうことをお勧めします。

花粉症はすぐ直るものでもありません。なるべく症状を抑えつつ、お口の中を清潔に保つように注意してみてください。最近では舌下免疫療法というものもあり、根本的な解決につながる治療もあります。花粉症が重度で辛いという方は調べてみてください。