2024/04/07
今回は、色んな虫歯の治療について、どのくらい時間がかかるのかを書いてみようと思います。
①ごく初期の虫歯
フッ素塗布を定期的におこなうことで再石灰化を促す。
(定期的にフッ素塗布をおこなうと良い。通院は3カ月に1度程度。)
歯の表面が擦りガラスのように白っぽくなっている場合、削って埋めるのは勿体ないです。むしろ、フッ素塗布をおこなうことで歯が硬くなり、虫歯に強くなる「再石灰化」が起こるため、積極的に削らずに予防処置をメインにします。
②軽度の虫歯
虫歯になった部分を削り、白い詰め物をする。
一度の治療で修復は終了する。
例えば奥歯の溝が黒くなっている、中ではそんなに広がっていない場合の虫歯や、前歯でも隣り合った部分が少し黒くなっている虫歯は、菌に溶かされて脆くなっている部分を機械や器具で取り除き、歯科用のコンポジットレジンという材料で埋めます。光で固まる光重合という化学反応を利用します。
③中等度の虫歯
虫歯になった部分を削り、金属や樹脂の被せ物をする。
削った後に型取りをし、被せ物を製作するのに1週間くらいかかる。
通院回数は2回以上必要。
前述の②よりも虫歯の範囲が大きい場合、部分的な銀歯や白い詰め物、被せ物にします。虫歯を取り除いた後で型取りをして、技工士さんという詰め物や入れ歯を作ってくれる専門の人にお願いします。すると約1週間くらいで出来上がってきます。その詰め物を歯にセットするまでの間は、仮の詰め物やセメントで穴を塞いでおきます。
④重度の虫歯
神経にまで虫歯が及んでいる重度のタイプは神経の治療からおこなう。
神経の治療は治りが悪いケースも多く、通院回数は未定。
早ければ4回くらいで終わるが、長引けば数か月かかる。
歯の咬み合わせの部分が虫歯で大きく無くなってしまったり、残せる部分がない場合は、神経の治療をした後でになりますが、差し歯を付けます。神経が通っていた管に土台を建てて、その上に被せ物をするので、治療回数も時間もかかります。神経の治療に最低でも2回以上、土台を建てるのに1回、被せ物を作るのに1回必要です。
以上のことから、治療をするタイミングも重要になってきます。GWやお盆、年末年始は歯科医院も技工士さんもお休みですから、型取りをしてもセットまで時間がかかります。その間仮歯や仮の詰め物だと、お休み中に外れたりすることもあるので、治療をするにも虫歯のチェックを受けるにも、早め早めの受診をお勧めします。
佐野歯科・矯正歯科医院
副院長 関川 奈都貴
~プロフィール~
- 2005年 日本歯科大学 新潟歯学部卒業
- 2005年4月~2015年3月 日本歯科大学新潟生命歯学部歯科矯正学講座 勤務
- 2015年4月 佐野歯科医院 勤務