矯正治療が失敗するケース②

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前回に引き続き、矯正治療で目標に到達できないケースについてお話しします。

【装置を使用しない】

・取り外しのきく矯正装置をきちんと装着しない

・装置の使用が指示された装着時間より短い

 こちらは結構ある事例です。特に小中学生くらいの男の子に多く見られますが、中には大人の方で自己判断で装置の使用時間を短くする方がいらっしゃいます。

取り外し式の装置で治療する際に、その装置を使用しないのです。矯正装置は装着してこそ歯を動かす力が働くのですが、親御さんや歯科医師がどんなに使うように言ってもダメな場合があります。装置を使わなければ当然歯並びは治りません。

成長の残っている時期に行うような矯正治療であれば、タイミングを逃してしまえば同じような治療法は使えません。例えば、受け口の患者さんに取り外し式の装置を使って治療をしようとします。装着時間は寝ているあいだ・・・おおよそ8時間くらいとします。毎日8時間使ってようやく治療効果が発揮されるのですが、面倒くさかったり、なんとなく入れたくないからと使わなかったりする日があれば、効果は半分以下です。予定では半年~1年で受け口が治る予定でも、使い方が足りなければ1年を過ぎても治らず、下顎の成長期を迎えるまでに噛み合わせを治すという目標も達成できません。そこから悪化すれば手術が必要な症例になることもあります。

マウスピース矯正も同様で、一日23時間の使用が推奨されますが、それを守らないと歯が殆ど動かないか、動いても予定していた通りの移動量を得られません。結果、装置の作り直しや治療期間の延長に繋がります。


佐野歯科・矯正歯科医院
副院長 関川 奈都貴

~プロフィール~

2005年 日本歯科大学 新潟歯学部卒業

2005年4月~2015年3月 日本歯科大学新潟生命歯学部歯科矯正学講座 勤務

2015年4月 佐野歯科医院 勤務