2024/09/26
今日も前回に引き続き、矯正用アンカースクリューを用いたインプラント矯正のリスク・デメリットについてお話しします。
【歯根を傷つける恐れがあります】
顎の骨に埋める際に、近くの歯根を傷つけてしまう可能性があります。始めにレントゲンを撮ることで、埋入可能な場所を探しますが、ケースによっては歯と歯の間の狭い部分に埋入しなければいけないこともあります。その際に、スクリュー部分で歯根を傷つけてしまう恐れがあります。
【骨、歯茎が増殖することもある】
アンカースクリューを埋入した部位の骨や粘膜、歯茎が盛り上がることがあります。生体が反応することによります。自然と治ってくれればいいのですが、増殖した組織は大抵がそのままです。その場合、歯茎や粘膜などは切除することができますが、骨だと歯茎を開いて削る必要があります。
【埋入可能な年齢がある】
成人であれば問題ありませんが、成長が残っている場合ですとお勧めできません。日本矯正歯科学会のガイドラインでは脱落率が高いことを注意しています。
【出血や神経障害が起こる可能性がある】
お口の中にはたくさんの血管や神経が走っています。そこにアンカースクリューを立ててしまうと、傷つくことによって多量の出血や神経障害が起こってしまうこともあります。基本的に、神経や大きな血管の走行を考慮したうえで施術しますが、それでも可能性はあります。
佐野歯科・矯正歯科医院
副院長 関川 奈都貴
~プロフィール~
2005年 日本歯科大学 新潟歯学部卒業
2005年4月~2015年3月 日本歯科大学新潟生命歯学部歯科矯正学講座 勤務
2015年4月 佐野歯科医院 勤務