タービン(ハンドピース等、歯科用切削具)の滅菌について

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 2014年、新聞で、「約7割の歯科医院でタービンの使い回しが行われている」ということについて報道されました。その後の調査(2019年)では、タービン(ハンドピース)を使い回している歯科医院は5割にまで減少したものの、対応しきれていない歯科医院もまだまだ多いとのことでしたが、10年経過した今ではどうなっているのでしょうか?

 結論から言えば、厚生労働省から指針が出され、患者さんごとのハンドピースの滅菌を強く推奨されることで、ハンドピースの本体と専用の滅菌機が飛ぶように売れました。そのことからも、現在では多くの歯科医院でハンドピースの患者さんごとの滅菌が行われているのではないかと思います。

 ハンドピースは水と風を吹き付けながら高速回転する刃で歯質を切削する機械です。お口の中で使っていると、唾液や血液などが機械に入り込むことがあるため、感染防止の観点から滅菌が必要ということがお判りいただけるかと思います。「滅菌」とは、前回お話ししたように微生物を滅殺することをさしますが、そのための滅菌機にも種類があり、当院ではクラスBと呼ばれる滅菌機を使用しています。

 滅菌バッグに入った器具や、内部に空洞があるハンドピース類は、中に空気が残留しているために蒸気が浸透しづらくなってしまいます。そのため、クラスB滅菌器の場合はチャンバー内を真空状態にし、滅菌バッグ内やタービン内部の空気をすべて除去します。そこに蒸気を送り込むことで、複雑な機器であっても確実な滅菌を可能にしているのです。

 歯科医院の待合室や診療室内に、その医院がどのように滅菌・消毒に当たっているかの掲示がありますので、一度ご確認ください。きっと安心して治療を受けていただけることと思います。また、当院のとりくみについては過去のブログにもありますので、気になる方はご一読ください。

 ⇒当院の感染防止対策について