2025/01/15
前回は歯並びを整える方法として矯正治療について説明しました。今日は、セラミック矯正と呼ばれる治療法についてお話しします。矯正という言葉から、「装置をつけて歯を動かして歯並びを綺麗にするもの」という認識をもっているかと思いますが、矯正治療とは歯や顎の骨に力をかけてゆっくり動かし、歯並びと噛み合わせを治すものであり、セラミック矯正は矯正治療ではありません。
【セラミック矯正とは】
・歯を削り、被せ物で整った歯列に見せる方法
・保険適用外である
・もともとの歯の位置や傾きにより、治療困難な症例もある
【セラミック矯正のメリット】
・一般的な矯正治療と比べると治療期間が短い
・全体的な矯正治療と比べると費用が抑えられる可能性がある
・目立つ装置を装着しないため、治療中も審美的である
・後戻りの心配がない ⇒後戻りについて
【セラミック矯正のデメリット】
・天然の歯を削る必要がある
・一度削った歯はもとには戻らない
・噛み合わせに問題が出ることもある
・もともとの歯の角度や位置によっては神経を抜く必要がある
・治療後に被せ物が破損する可能性がある
・治療後に歯の神経に問題があった場合、被せ物を外す必要がある
・セラミックの被せ物にも寿命がある
以上を踏まえて、例えば前歯のねじれが気になっているが、ワイヤーでの矯正治療を希望しておらず、複数の歯が修復されていて色味が合っていないなどの問題点が揃っていれば、矯正治療よりも時間がかからず、歯並びだけではない歯の色や形態もきれいになるので選択肢としてよいと思います。しかし、歯並びを治すことだけを目的とする場合は、健康な歯を削ることや材料の寿命から鑑みて、あまりお勧めできません。
セラミック以外にもメタルボンドや前装冠といった被せ物の種類がありますが、すべて歯を削る必要があるので、ご自身にあっているのかどうかを主治医とよくお話ししてくださいね!