矯正の開始時期について

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 春、心機一転なにか始めたい・・・そんな気持ちになることもあるでしょう。この時期は特にお子さんの歯並びについてお考えの方が増えてきます。

 ・矯正を勧められたけど、いつごろから始めたらいいの?

 ・まだ小学校に上がる前だけど、このまま様子見でいいの?

 ・そもそも矯正が必要か見てほしい

このような相談内容をよくお聞きします。そこで今日は矯正の開始時期についてお話しします。

【1~4歳頃】

 この時期はまだ顎の位置が安定せず、受け口のように見えても下顎を前に出す癖があるだけのケースがあります。また、積極的に使える装置は少なく、患者さん本人も重要性を理解しにくいため治療スタートには向いていません。むしろ食育や、正しい歯磨き(仕上げ磨き)でお口を健康に育てます。

【5~7歳】

 受け口や顎の偏位(ずれ)はこのくらいの時期から介入できます。早期に治療することで誤った方向への成長を正すことが期待されます。噛み合わせが深すぎるケースもそろそろ治療を開始します。

【8~10歳】

 顎の狭さや部分的な歯の凸凹、すきっ歯、顎の劣成長・過成長に対して治療することがあります。まだ乳歯が残っていることから、今後の永久歯との交換を邪魔しそうな因子を取り除いたり、大人の矯正治療を楽に進めるための準備をおこないます。

【11歳~】

 ほぼ永久歯に生え変わっているため、大人の矯正治療の適応期です。特に学生のうちは学校が終わってから比較的時間があるため、成人してからよりも治療を受けやすい人が多いです。いつ治療を開始しても良いですが、本人にやる気がある時が開始時期としては最適です。

 矯正治療は、子供の時期から始めるⅠ期治療と、大人の歯並びになってから始めるⅡ期治療があります。子供のころの矯正治療の目的は、正常な成長へつなげるためであったり、これから生えてくる大人の歯のスペースを確保したり、これから悪くなりそうな部分を予防したり・・・ということです。ですので、まずは正しく成長しているのかどうかを知る必要があります。

 別にこれは矯正専門医でなくてもいいのですが、定期的に歯科医院に行くことで成長方向を確認してもらいましょう。そのうえで、顎のズレや前歯の部分の咬み合わせが逆であることなどが確認された場合は早めに矯正歯科医に診てもらうことをお勧めします。乳歯列期(全部が子供の歯)の時から治療することで、その後の成長方向がよくなるケースが多いです。

 他に注意が必要なのは、治療開始後に引っ越す可能性がある方です。治療が終わらないうちに他の地域へ移動しなければならない場合、矯正治療が終了していないうえに転医が必要となり、引っ越し先での受け入れ医院を探したり追加の費用がかかったりと患者さんの負担が大きくなるからです。進学先で県外をお考えの方は、最低でも3年間は県内にいるうちに治療を開始した方がいいでしょう。間に合わない場合は、県内では治療を開始せず、引っ越し先で治療を開始することをお勧めします。

 過去にも詳しく書いたブログがあるのでご一読ください。

 矯正治療を始める時期はいつ?