2021/01/04
歯科医師どうしで話をしていると必ず出てくる悩みですが、患者さんの中に入れ歯を削ってしまう方がいらっしゃいます。合わないところが気になってしまい、ご自分で治そうとした結果だと思うのですが、取り返しがつかなくなって歯科医院にいらっしゃいます。ですから絶対に入れ歯は削らないでください！
通常、入れ歯が合わない患者さんが来院されると、私たちはどこが合っていないのかを調べるためにいろいろなところをチェックします。
・かみ合わせ
・内面の当たり
・入れ歯の縁の長さ
・噛んでいる位置とリラックス時
・喋った時の動き
患者さんとお話をしながらする確認もありますし、道具や材料を使ってのチェックもあります。それを患者さん自身がおひとりで出来るかというと難しいと思います。入れ歯を削ることができる機械は比較的簡単に手に入るのでしょうが、薬事法を通っていない道具を使われているため、何かあったときに私たちでは責任は取れません。体に害のある物質が含まれている可能性だってあります。
ご存じでない方がほとんどだと思いますが、保険で入れ歯を作った場合は6か月間作り直しができません（自費での作り直しは可能）。ですから、もし義歯を削ってしまい、さらに合わない義歯になってしまった場合は私たち歯科医師に出来ることはあまりないのです。以上のことを踏まえて、入れ歯が合わなくなったら自分で削らずに歯科医院へ、それでも合わなかったら思い切って他の歯科医院へ行ってみるのもいいかも知れませんよ。