2021/01/13
白くてきれいな歯は見ていて気持ちのいいものですが、何らかの原因で歯の色がもともと変わっているケースがあります。今日はそんな歯の変色についてお話しします。
生まれつき、歯が縞々で茶色っぽい・・・それはテトラサイクリン歯かもしれません。テトラサイクリン歯とは、テトラサイクリン系抗生物質により変色した歯のことを言います。 歯が体の中で作られる時期(0~12歳頃)にこの抗生物質を大量にとると、歯が形作られる時に歯の中に蛍光粒子が取り込まれ、象牙質に着色します。歯の色が灰色がかっていたり、縞模様があったりするのが特徴です。
テトラサイクリンには菌の増殖を抑える働きがありますが、いろんな種類の菌に効果が見られることから多用されていた時期があります。しかし、歯の着色が起こることがわかってからは、妊婦さんや12歳までのお子さんには、やむをえない状況を除き処方されないようになっています。テトラサイクリンは、今でも肺炎や他の感染症の治療薬として使われています。
では、ついてしまった色はどうすれば良いでしょうか?ホワイトニングは解決のための一つの手段ではありますが、テトラサイクリン歯の色の濃さによってはかえって縞々が目立つことになります。歯の色は何段階か明るくなりますが、その分色の差がある部分に目が行ってしまう場合もあるのです。軽度~中等度であればホワイトニングである程度綺麗になりますが、重度のケースではホワイトニングによる解決を望めないと思った方が良いでしょう。その場合は、歯の表面を薄く削って白い被せ物を表面だけする「ラミネートベニア」という治療法が効果的です。歯を削るというデメリットはありますが、そのデメリットを上回るほどに歯の変色が気になる場合には良い方法だと思われます。
他にも、病気や薬が原因で歯の色が変わってしまうケースがあるので、またお話しします。