はちみつは虫歯にならない?

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先日、歯医者さんたちの会議の時に話に上がったのですが、一部の人が「はちみつは食べても虫歯にならない」と言っているそうです。それは果たして本当でしょうか?

はちみつは、ミツバチが花から集めて出来るものですが、ミツバチたちが訪れる花の蜜のおもな成分はショ糖(スクロース)で、白砂糖と同じ。はちみつの糖分は、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)です。でも、ミツバチは花蜜のショ糖を体の中の酵素で分解して、ブドウ糖と果糖にしているのです。

はちみつは抗菌作用も持ち合わせています。傷口に塗ると細菌の繁殖を抑え、傷の治りを良くする効果が期待できます。

一方、虫歯菌はショ糖を分解してプラーク(歯の表面につく汚れ)を作り出しますが、ブドウ糖や果糖ではプラークを作れません。しかし、ブドウ糖・果糖で酸を産生することはできます。つまり、歯を溶かすことは出来るということです。

これらの情報を合わせて考えると、はちみつを食べても虫歯にならないとは言い切れないと思います。虫歯は虫歯菌が糖を分解して出す酸で歯を溶かすことを指します。すると、ブドウ糖と果糖を含むはちみつを食べていれば虫歯になる可能性の方が高いように思います。抗菌作用がどこまで効くのか、また人それぞれの口の中の環境にもよると思います。私たち歯科医師が言えるのは、歯を磨くことが一番大事で、歯を磨いた後は何も食べない方が良いですよ、ということです。はちみつは健康に良いものではありますが、過信しすぎずに口腔ケアを大切にしましょう。