歯科治療と不安①

 殆どの子供は歯医者さんが苦手です。まだ歯医者さんに行ったことのない子供までもが怖がるのはなぜでしょうか?

 

アメリカのある調査では、大人で歯科治療に対して何らかの恐怖や不安を感じている人は50%を占めていると言われています。その中でも強度の恐怖を感じる人は10~15%も存在するそうです。

 

日本の場合は、歯科治療全般に不安を持つ人は80%、強度の不安を持つ人が11%もいます。また、歯科治療特有の麻酔や歯を削る機械に恐怖を感じる人は50%ほどだそうです。

 

大人ですら怖い歯科治療、ではその大人はいつから歯医者さんが苦手になったんでしょうか。今日は、歯科治療と不安についてのお話です。

 

以前の「歯医者のはしやすめ②」でも触れましたが、歯医者さんが怖い・苦手だと思う理由で多く挙げられるのが次の5つです。

1 歯を削るときの音

2 治療の痛み

3 麻酔注射

4 独特な匂い

5 子供の時におさえ付けられて治療を受けた

これらが恐怖体験となって記憶に残るのでしょう。そしてそれを覚えている人が自分の子供に、歯を磨かないと如何に大変なことになるかを伝えることで、経験してもいない恐怖を子供が共有してしまうのです。  

 

私たちは、出来ることなら患者さんに痛い思いや辛い思いをさせたくありません。ですから、親御さんは必要以上にお子さんに歯科治療の恐怖を伝えないでください。むしろ、一緒に虫バイキンをやっつけてくれる専門家だとお伝えください!私たちも怖くないよう、痛くないように、お子さんや親御さんとお話しして、対策を練ります。不安が減れば体の緊張もほぐれるので、それまでよりも痛みを感じにくくなります。また、正しくお口の手入れを覚えていただきやすくなると思います。二人三脚で健康なお口を守りましょう。