2021/03/06
今日も引き続き矯正治療が失敗してしまう要因についてお話しします。
【ゴムかけをしない】
矯正治療の中には、出っ歯を治すためだったり、噛み合わせを良くするためだったりと、色々な目的で矯正専用のゴムを患者さんにかけてもらうことがあります。基本的にゴムかけは1日中とお伝えすることが多いのですが、ご飯を食べるときと歯を磨くときを除いてずっとゴムかけをすると治療がどんどん進みます。逆に言えば、ゴムかけの時間が足りないと治療が進みません。また、ワイヤーによってはゴムかけをしないと、望まない副作用が起こることもあります。すると矯正治療が上手くいかなくなり、必要以上に治療に時間がかかったり、目標へ到達できなくなったりするのです。ゴムかけにおける1日中とは、およそ23時間/日のことを指しますので、「家にいる間だけ」とか、「寝ているあいだだけ」とかで済ませないようにしましょう。
【歯の癒着】
滅多にないことですが、歯が顎の骨にくっついている(骨性癒着)ために動かすことが出来ず、治療が計画通りに進まないことがあります。歯の癒着はレントゲンではわかりづらく、CTを撮っても見逃すほど小さな癒着もあります。歯の癒着については後日お話ししますが矯正装置をつけてもうんともすんとも動きません。すると、他の歯がその動かない歯に引きずられてしまい、望まぬ動きをします。対処法としては、歯を脱臼させることで動くようにすることが可能ですが、癒着していた歯は再度癒着を起こす可能性もありますので万能ではありません。癒着が分かった時点で歯科医師から話があると思います。歯の癒着は外傷でも起こりやすくなるので、もしこれまでに転んで歯をぶつけたことがあるようでしたら、最初の初診相談の時点で自己申告すると良いでしょう。